本格革靴を購入するようになったころ、好きだった靴メーカーはクロケット&ジョーンズ。
クロケットは本当にたくさんのモデルがあるが、どれもこれも洗練されたデザインで、なんというか色気があるように感じられた。各ショップでの別注品も多く、店頭や雑誌で目にすることが多かった、という理由もあるかもしれない。
結果、クロケットの靴をかなり購入することに。
思いつくだけでも、
・チャートシー
・スエードウイングチップ(ビームスF別注、モデル名失念)
・オードリー(ブラックスウェード)
・ボストン(スエード)
・チェッカブーツ(モデル名失念)
・ケント
・ロウンズ
・モールトン
・ベルグレイプ
・etc
ただ、今現在は1足も無いです。(全て売却)
理由は単純で「自分の足に合わなかった」から。正しく言えば「合わないのが分かった」。
好きで買い漁っているときはそのことに気づかなかった。そもそも革靴の経験値が少なかったのもあり、こういうものかと。
好きだったので購入して満足していたというか。アクセサリーや鞄に近い感覚だったかもしれない。
そのうち、クロケット以外の靴も履くようになって、「あれ?クロケットって自分の足に合ってない??」と気づいた。
そう思った理由は2つ。
1つは、踵がしっかりフィットしなかったこと。
2つめは、親指の指先(爪)が靴内部の上に当たってしまうこと。
1つめの理由は、総じて欧米人に比べ日本人の踵が小さいと言われているので、自分だけでは無いかもしれない。その証拠に、オードリー3やキャベンディッシュ3など、日本人向けに踵を小さくしたモデルも作られている。
Dウィズの靴やラストによってはだいぶ気にならないのもあったが、自分にはクロケット全般的に踵の収まりが悪く、踵に合わせてサイズを選ぶと捨て寸がほぼ無いということもあった。
2つめに関しては、自分の足がハンマートゥ気味なところが要因かもしれない(親指の付け根が大きく、指が上を向いている)
クロケットのラストは、靴先に向かってシャープになっているイメージで、それが色気にも通じていると思うが、自分の足には、どちらかというと靴先が丸みを帯びている形の方が相性が良かった。
そんなこんなで、少しづつ手放していくうちに全て無くなることに。
そうなってみて気づいたのは、靴は『履いて歩いてナンボ』だということ。デザイン・形も重要なポイントだけど、それよりもストレスなく履ける方が重要だと実感。
今後おそらくクロケットの靴を買うことはない気がするが、靴の良さやメンテナンスの仕方など、革靴の基本を教えてくれたのはクロケット&ジョーンズ。
ありがとうクロケット。